<雀は野鳥観察におすすめの野鳥>
雀は、最も近い距離で野鳥の生活を観察できる。
これは最も身近な野鳥。
他の野鳥では観察しづらい姿や行動を観察できる野鳥でもあります。
例えば、野鳥は繁殖期である初夏頃はさえずりなどで存在感を増すが、繁殖期を過ぎた時期(真夏以降)になると気配を消す。
繁殖中はメスへのアピールや縄張り主張であえて周りに存在を主張する必要性が、守るべきヒナができた後は、敵に気付かれない行動を取った方が生き残り易いからだと言われている。
すると、その時期の彼らは鳴かないし、なかなか姿を表さず観察できない。
一方で、彼らは常に人間の生活圏内にいます。
そのため、他の野鳥では見る機会の少ない行動も観察し易い野鳥なのです。
<日本で見られるスズメは2種類>
身近な野鳥、雀。
実は日本には2種類いる事が分かっている。
もう1種はニュウナイスズメという種類。
<雀は日本で個体数が減少している>
私達にとって身近でかわいい雀。
実は日本でその数を減らしているそうだ。
「日本におけるスズメの個体数減少の実態」という論文では、現在のスズメの個体数は1990年ごろの個体数の20%から50%程度に減少したと推定された。
1960年代と比べると減少の度合いはさらに大きく現在の個体数は当時の1/10程度になった可能性がある。(抄録より)
<減少した原因は?>
「カラスや猛禽類などにおける捕食圧の増加」
「水田の減少や農作方式の変化による餌の減少」
「都市部からの空き地の減少」
「ねぐらとなる環境の減少」
などと推察されています。
複数の要因が複合的に関係しており、個体数の減少要因を解明するのは容易でないとも述べられている。
身近な鳥である雀も、いつの間にか大きく減少してしまっている。
<餌の与え過ぎに注意>
又、餌をあげ過ぎると、自然の中で餌を採る能力が低下し、一度餌をもらうと場所や時間なども学習するのか、その場所で待つようになる。
しかも、餌をやるのを中断したとしても、彼らは期待して1ヶ月経っても待ち続ける事もあるらしい。
<与える餌について>
お米は白米のまま生で食べます。
炊いたご飯は逆に良くない。
理由は「そのう」の中で発酵する、つまり炭水化物は「そのう炎」を起こすから。
それと炊いたご飯は喉に詰まらせる事がある。
パンをちぎってあげるパンくずもごはん同様、そのう炎を引き起こしてしまう。
雀をはじめとした「そのう」を持つ鳥にはご飯やパンをあたえるのは避けたい。
「そのう」⇒食べたものを一度ためておく器官。
首辺り、羽の付け根辺りにある。
<まとめ>
このまま減少が進めば、雀でさえも身近な存在ではなくなってしまう事もあるかも知れない。
身近な野鳥である雀の住処と生活を、大切に見守りたいと思う。