<言葉を操れる鳥>
近年、動物言語に関する研究が以前に増して注目を集めているという。
その火付け役ともいえる存在が、シジュウカラという野鳥を主に研究している、動物行動学者の鈴木俊貴さんは、子どもの頃から生き物の観察が好きだった。
鈴木さんは、約15年にわたり軽井沢の森林でシジュウカラの鳴き声を調査。
世界も驚く発見を数多く発表してきたという。
<群を抜いている複雑さ>
たくさんの鳥を観察してきた中で、シジュウカラの鳴き声は群を抜いて複雑だそうで、タカやヘビといった天敵の種類を識別し、異なる鳴き声でその存在を知らせるらしい。
ヒヒヒ→タカだ!だと、空を見上げてタカを警戒。
ジャージャー →ヘビだ!と聞くと地面を見下ろしどこにヘビが潜んでいるのか念入りに探す。
シジュウカラは、鳴き声を単語として使い分け、仲間と会話しており、更に驚くのが、シジュウカラは文章を作れるという発見だったという。
<複雑な会話が可能>
シジュウカラは、仲間と協力してモズやフクロウを追い払うことがあるらしく、ピーツピ・ヂヂヂヂというという鳴き声で、大号令を出すのだそうだ。
ピーツピは、警戒しろ!ヂヂヂヂは、集まれ!という意味があり、つまりシジュウカラは2語文を使って会話していたのだと鈴木さんは気付いたという。
そして、シジュウカラは語順を認識して音列を解読していることや、初めて聞いた文章まで文法のルールを使って正しく理解できる事などが解ってきており、シジュウカラの鳴き声には人間の言葉との共通点がたくさんあるという。
鈴木さんは、シジュウカラの他にも、複雑な会話をしている動物がいても不思議ではないとし、これまでに動物の鳴き声と人間の言語との共通点を証明できたケースは殆どなく、長い間、動物たちの鳴き声は感情の表れでしかなく、意図を伝えることができるのは人間だけだと信じられて来たが、先入観にとらわれず、地道に研究を続けていくことで、シジュウカラのように、単語や文法を用いてコミュニケーションをとる動物が見つかる可能性は十分にあるとしている。
<まとめ>
この方は、今年の8月にスウェーデンで開催された国際学会で基調講演を行ったところ、大きな反響を得ることができ、シジュウカラ語の研究に世界の注目が集まっていると実感したそうだ。
動物達の言葉を正しく理解するために、動物言語学という新しい学問を作ることが現在の目標だという。
素晴らしい。
【シジュウカラの動画】
https://youtube.com/shorts/4fuk0aIHrfk?feature=share