自然派まさべえ

隙間時間を大切にしています。自然散策が好きです。

「カブトエビの奇跡的な生態」

<水田の生き物>

水田の生き物達を観察すると、多様性のある生物ばかりだった。

カブトエビ

カブトエビは2億年ずっと同じ姿。

生きた化石カブトエビ

2億年前から同じ姿をしている、その秘密は強い卵にあり普通の生き物では考えられない卵の秘密。

生きた化石」とも言われるカブトエビは、甲殻類の中で最も原始的な種類で、祖先は2億年以上前の三葉虫と言われている。

アメリカブトエビは元々、北アメリカの砂漠が故郷だと言われている。

砂漠で生きのびるために、卵は数年間の暑さや寒さ、乾燥に耐えられるようになっている。

一匹で産む卵の数は1,000個以上にのぼります。

このような卵を乾燥卵、または耐久卵といい、カブトエビが現代まで生き残れたのも、この特殊な卵であったからと言われている。

カブトエビの寿命は短く、産卵を終えると約1ヶ月の短い一生を終えます。つまり、1年のうち11ヶ月を卵で過ごしている。

<田んぼを育てるのに役に立つ>

カブトエビは田んぼの雑草を取る働きがあり、泥の中に生えた雑草の芽を食べ、泳いでいる時には水を濁らせるため、発芽した雑草の生育を抑える効果もある。

また、泥をかき回すことで稲の根に酸素を送り、根腐れも防いでくれるのだとか。

その為、カブトエビをわざわざ田んぼに放して、草取りをさせている人もいるそうだ。

カブトエビは40数対の足を絶えず動かして泥を掻き分けたり、這い回ったり、埋まったりして小さな藻類やミジンコを食べている。

それだけでなく、水草やコケ、魚の死骸なども食べる雑食だ。

1ヶ月と短い寿命ながら脱皮を繰り返し3cmくらいまで成長する。

その寿命の中でも、卵を泥の中に生み、次の年にはまた田んぼに現れるのだ。

<田んぼに生きるカブトエビ

武士のカブトのような甲羅を持つ。

6月、田植えが終わった田んぼの水の中で、何かが動いている。

カブトエビはミジンコに近い生き物です。

頭と胸を覆う甲羅を武士のカブトに見立てて、その名がついた。

<水中での巧みな身のこなし>

カブトエビは泳ぎの名人で、胸についているたくさんの脚を器用に動かして、素早く泳ぎ回ります。

巧みな身のこなしの秘密は脚のつくりにある。

脚は胸の下側に並んでいる。

一本の脚の先を拡大してみると、楕円形の平たい部分があり、これが水かきの役割を果たす。

また、脚の先の一部は硬い突起になっていて、泥の上を這う時にも役立っている。

<たくさんの脚の器用な動き>

脚にはもっと重要な役割もあり、田んぼの泥をかき出すような動き。

これは、泥の中の微生物などを食べている。

食べものは、脚の動きが作り出す水の流れに乗って左右の脚のあいだに入ってきます。

そして脚の付け根にある溝に集められ、溝の両端には、たくさんのトゲや毛が頭のほうに向かって生えている。

その為、溝では下から口元へ食べものが運ばれる。たくさんの脚を器用に動かすカブトエビ

この動きが雑草の成長を妨げるので「田んぼの草取り虫」とも呼ばれている。

<田んぼに水がなくなる季節は>

カブトエビは、田んぼに水が入る5月から6月ごろ、一斉に姿を現す。

それまでは一体どこにいたのか。

頭を泥の中に差しさかんに掘っているカブトエビ

よく見ると、お腹の下に赤い粒が見える。

これは先に述べた様に卵で、カブトエビは泥の中に卵を産む。

卵は乾燥に強く、水がなくなる秋や冬の間も、土の中で眠り続けるのだ。

<水に触れて目覚める卵>

春、乾燥した田んぼに再び水が入ると卵は眠りから覚め、水に触れておよそ2日で幼生が出て来る。

そして2週間もしない内に大人となり、卵を産む。

<まとめ>

カブトエビは、元々雨水などで一時的にできた水溜まりに生息する生きものだったと考えられている。その環境に似た田んぼで、カブトエビは世代を繰り返している。

【水田の生物】動画 https://youtu.be/3z83i52QYU0

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