自然派まさべえ

隙間時間を大切にしています。自然散策が好きです。

「孤立した湖や池に魚はどうやって移動する?」

<そのプロセスは>

孤立した湖や池に魚はどうやって移動するのかという疑問の答えとして、ようやくそのプロセスが明らかになったらしい。

孤立した湖や池に、魚はどのように入植するのだろうかという疑問に、これまでその証拠ははっきりしていなかった。

極乾燥地域に囲まれた孤立した湖や池に、魚はどのように入植するのだろうか。

魚の卵が鳥の足やくちばし、羽に付着し、鳥によって遠方に運ばれるのではないかとの仮説が長年唱えられていおり、2018年に発表されたスイス・バーゼル大学の文献レビューでは「この仮説を示す証拠はこれまでに見つかっていない」とされていた。

植物の種は、鳥獣に食べられ運ばれるが・・・

ハンガリー・ドナウ研究所(DRI)生態学研究センター(CER)の研究チームは、外来種として広く知られるコイとギベリオブナの卵をマガモに与える実験を行い、マガモに与えた魚卵のうち0.2%が消化器内で生き残り、糞として排泄され、さらにその一部は孵化したとの研究結果を2020年6月22日に米国科学アカデミー紀要(米国科学アカデミー紀要)で発表している。
鳥獣に食べられ、糞として排出されることで種子が運ばれる「動物被食散布」は植物でよくみられ、2017年に発表された蘭ユトレヒト大学の研究論文でも植物の種子がマガモの糞として排泄され遠方に運ばれることが示されている。

今回の実験では、魚の卵にも同様の性質があることが明らかとなっている。
<消化器内で生き残った卵の割合は0.2%>

研究チームは、マガモ8羽にそれぞれコイとギベリオブナの卵500個を与え、75%のマガモの糞から合わせて18個の卵を検出した。

そのうち12個は生長可能な状態で見つかり、さらにそのうちの3個が孵化に成功した。
マガモの消化器内で生き残った卵の割合は0.2%と低いが、コイの産卵数は1回あたり最大150万個にのぼり、1シーズンに数回、産卵する。タンパク質と脂質が豊富な魚卵は、マガモをはじめとする水鳥の好物だ。シロカモメシロカモ1羽から6万3501個もの魚卵が見つかった例もあるという。

<まとめ>
以上の事から、研究論文では、自然界でのカモの個体数の多さや採食、移動をかんがみると、カモの『動物被食散布』が淡水生態系の生物多様性保全外来種の移入に影響をもたらしているのではないかと考察している。

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