＜初めて？＞
シャチの群れが世界最大の魚ジンベエザメを捕食、初めてのことなのか？
シャチはジンベエザメを捕食する際、頭部の脇に体当たりするというが本当なのだろうか。
メキシコ沖の太平洋で、なんとシャチの群れがジンベエザメを狩りで殺す狡猾な戦略を編みだしたという。
これは、新たな研究結果が発表されたもので、ジンベエザメは世界最大の魚で、成長すると全長１８メートルに達するという。
＜実は以前から＞
シャチがジンベエザメの腹部を攻撃する様子は、実は
シャチがジンベエザメを捕食するのは以前から断片的な証拠で示唆されていたが、海洋学者のチームは今回、カメラが捉えた４件の狩りの映像を分析し、捕食行動を初めて詳細に記録。
シャチの群れはどうやらこの中で、カリフォルニア湾の餌場に集まった未成熟なジンベエザメを狩っている様だ。
＜若いジンベエザメが犠牲に＞
こうした若いジンベエサメはおおむね体長３～７メートルにとどまり、捕食者に対してより脆弱になる。シャチ対ジンベエザメの対決は壮絶な戦いになると思うかもしれないが、シャチは「優しい巨人」とも呼ばれるジンベエザメを楽々と仕留めているのは驚き。
メキシコ海洋科学学際センターの研究員を務めるフランチェスカ・パンカルディ氏によると、ジンベエザメは体格に対する脳の割合が最も小さく、ゆえにジンベエザメは巨大な魚、他のサメに比べて非常に動きが遅く、歯も小さい、防衛手段としては役に立たないと指摘、彼らが身を守る術といえば、体を激しくよじらせるか、潜ることだけだという。
水深２０００メートル、或いは更に深くまで潜ることができると語っている。
＜研究結果は科学誌に褐載＞
「フロンティアズ・イン・マリーンサイエンス」という科学誌に２９日付で掲載され、論文に記述されている狩りが行われたのは２０１８～２４年で、科学者や一般市民がその様子を画像や動画に撮影したとされている。
論文の著者らは背びれなどの特徴や体の傷跡をもとに、狩りに加わったシャチを特定することが出来た。４回の狩りのうち３回には、アステカ王にちなんで「モクテスマ」の愛称が付けられた体長８メートルの雄のシャチが参加していたのだとか。
モクテスマと一緒にいる姿が以前目撃されていた雌のシャチも、狩りのうち１回に参加していた。非営利団体所属の海洋生物学者、エリック・イゲラ・リバス氏によると、これは両者に血縁関係があるか、同じ群れのメンバーである可能性を示唆しているという。
＜正確な方法が分かる＞
研究チームの分析により、群れで狩りを行うことが多いシャチがどのようにしてジンベエザメを制圧するのか、正確な方法が判明。
先ず、シャチたちはジンベエザメに高速で体当たり。
次に、ジンベエザメの体をひっくり返して仰向けで浮かぶように仕向け、潜って逃げることが出来ない様にする。
そのうえで、ジンベエザメの腹部に噛みついて流血させ、内臓を食べるという流れだ。
＜まとめ＞
大きくなるヒゲクジラもジンベエザメもオキアミのような小型の生物が主食で、例えるなら陸上で大型になる草食動物の様なものだというから、 陸上の植物も、海洋のオキアミも大量にいるので体は大きくなるし、面倒な狩りが不要なので大きな知力を要求されないだろう。
一方で肉食でもエサが豊富な時期があれば大型に進化し、そして巨体を維持するためには一定量の肉を確実に摂取し続ける必要があり、 その際には小さな魚をたくさん食べるよりも大型の獲物を狩ったほうがはるかに効率が良い。
つまり、シャチがジンベエザメを捕食するのは自然な流れではないか。
