<蓑虫を見つける>
何故かタイル壁にミノムシがいた。
無事冬を越したミノムシなのか…
サクラの花も終わる4月下旬から5月上旬にサナギになるらしいが…
気になるから調べてみた。
<オオミノガの生態>
約1カ月の後、オオミノガの雄のサナギは、蓑の下の口から体を半分ほど外に出し成虫が羽化。
雄のオオミノガは口が退化しておりえさを取ることもなく雌を探して飛び回りる。
雌の幼虫は同じ時期にサナギになった後、成虫になるが成虫の姿は雄とは全く異なりガの成虫らしくない。
小さな頭と小さな胸、体のほとんどを占める大きな腹部、腹部の中は卵でいっぱい。
驚いたことにハネも足も無い。
しかも、このガの成虫らしからぬオオミノガの雌は、サナギの殻の先端を押し空けるのみで、体は蓑の中のサナギの殻の中に入ったままだ。
雌は特有の匂いを出し雄を誘い、雄はその匂いを頼りに雌の入っている蓑に飛んできて交尾する。
2~3週間すると幼虫が孵化してくる。
雌は小さくひからびて死んでしまい、蓑から下に落ちてしまう。
生まれたばかりの幼虫は、蓑の外に出て糸を長く延ばし垂れ下がり風にゆられ新しい枝や葉に移って行く。
新しい枝や葉に移った幼虫は、枝や葉の表皮をかじり取り糸でつづりわせて小さな蓑を作る。
木の葉を食べて大きくなっていくミノムシは、かじり取った葉を蓑の前側に糸で継ぎ足し、体に合わせて蓑も大きくしていく。
7回脱皮し充分大きくなるころには、秋を迎え、ミノムシは越冬の準備に入る。
木の枝でぶらぶらと揺れているミノムシ。
蓑の中で冬眠。
オオミノガの越冬は、えさを食べるのを止め、葉をかじり取って口から吐く糸で蓑につづりあわせ、蓑を丈夫にて、そして手ごろな枝を選んで、糸を巻き付けそれに蓑を固定。
葉っぱをたくさんつづりあわせた丈夫な厚い蓑は、雨や雪からミノムシを守ってくれる。
丈夫な蓑は小鳥のくちばしでも切りさけない。
ただ、シジュウカラのようなくちばしの細い小鳥は、蓑の底に開いている細い口からくちばしを差し込みミノムシを引っ張り出せる。
枯れ葉や枯れ枝に粘性の糸を絡め、袋状の部屋を作って枝からぶら下がる蓑虫。
子供の頃、蓑を苦労して破って中を覗くと、なんかの幼虫が入っていたなと記憶がある。
オオミノガは他に類を見ない程の性的二形。
オオミノガ雌雄の出会いは、蓑内の雌とお互い見合うこともなく交尾するから、交尾後、役目を終えた雄はそのまま死に、雌も卵が孵化するまで蓑内、蛹殻の中に留まり、自身の子供達が生まれるのを見とどけるようにして、蓑を空け渡し、蓑の下の穴から出て地上に落下し、現世では 相まみえることのできなかった雄のもとへ旅立つのだと思うと何だか切ない。
<まとめ>
蓑虫の恋は浮気もしなければ離婚もできない。
ほんの短い一瞬において互いに全てを捧げる。
【動画】みの虫 https://youtu.be/pXD7uX_5HOw